DSM-5におけるインターネットゲーム障害:パーソナリティと個人差について

  • Chew, P. K. H., & Wong, C. M. H. (2022). Internet Gaming Disorder in the DSM-5: Personality and Individual Differences. Journal of Technology in Behavioral Science, 7(4), 516–523. https://doi.org/10.1007/s41347-022-00268-0

インターネットゲーム障害(IGD)と性格特性との関係を検討した研究は、不適切な基準に基づく尺度を使用することによって制限されてきた。さらに、性格特性は同時に研究されることがほとんどなく、IGDを予測する上での各特性の相対的重要性を検討することができなかった。本研究では、IGDの潜在的な予測因子として、ビッグファイブ人格因子、感覚追求、衝動性、攻撃性を同時に検討することで、これらの限界を克服することを目的とした。参加者は、123名のゲーマー(女性57.7%)の便宜的なサンプルである。年齢と性別を第1段階とし、人格特性を第2段階として、階層型重回帰を行った。その結果、衝動性と性別のみがIGDを有意に予測することが示された。限界としては、衝動性が否定的な構成概念であること、経験への開放性下位尺度の信頼性が低いことが挙げられた。今後の研究の方向性としては、衝動性を個人の中核的な特性として用い、様々な感情的・認知的要因との相互作用を検討することが考えられる。