ゲームの動機とゲーム行動症の症状。システマティックレビューとメタ分析

  • Bäcklund, C., Elbe, P., Gavelin, H. M., Sörman, D. E., & Ljungberg, J. K. (2022). Gaming motivations and gaming disorder symptoms: A systematic review and meta-analysis. Journal of Behavioral Addictions, 11(3), 667–688. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00053

概要
背景と目的
今回のシステマティックレビューとメタアナリシスは、ゲームの動機とゲーム行動症の関係性について、利用可能な文献を統合することを目的としたものである。具体的には、(1)ゲーム行動症の症状に関する研究において、どのようなゲーム動機の質問票や分類が用いられているかを調べ、(2)ゲーム行動症の動機づけ要因と症状との関係を調査することであった。

調査方法
EBSCO (MEDLINE and PsycINFO) および Web of Science Core Collection による電子データベース検索を実施した。ゲーム行動症の症状やゲーム動機に関する有効な測定法を用い、ゲーム行動症とゲーム動機の関係についての相関係数が利用可能なすべての研究が対象となった。メタ解析は、ランダム効果モデルを用いて実施した。

結果
51,440人の参加者を含む49の研究(k=58の独立したサブサンプル)、そのうち46の研究(k=55のサブサンプル、n=49,192人)がメタ分析のためのデータを提供した。その結果、14種類のゲーム動機づけツール、7種類の独自の動機づけモデル、26種類の動機づけ要因が特定されました。メタ分析の結果、ゲーム行動症の症状と26の動機づけ要因のうち23の要因に統計的に有意な関連が認められ、プールされた平均効果量の大部分は、小さいものから中程度のものまでありました。さらに、大きな異質性が認められ、計算された予測区間は、集団や設定によって効果にかなりのばらつきがあることを示した。感情的逃避に関連する動機は、ゲーム行動症の症状と強固に関連していた。

考察と結論
本メタ解析は、問題あるゲーム行動を理解する上での動機づけ要因の重要性を補強するものである。この分析では、ほとんどの結果で有意な異質性が示され、さらなる調査が必要とされた。