愛着、感情調節障害、ビデオゲームプレイ:ゲーム障害における感情調節障害の媒介役割の検証

  • Tang, K. T. Y., Hodgins, D. C., & Schluter, M. G. (2022). Attachment, Emotion Dysregulation, and Video Game Play: Testing the Mediating Role of Emotion Dysregulation in Gaming Disorder. International Journal of Mental Health and Addiction. https://doi.org/10.1007/s11469-022-00913-y

不安型愛着スタイル(不安型と回避型)はゲーム性障害(GD)の症状の重症度と有意に関連している。また、不安な愛着スタイルがGD症状の重症化をもたらすメカニズムの1つとして、感情調節障害があることが示唆されている。本研究では、大学生を対象に、感情調節障害の媒介的役割の可能性を検証した。カナダのカルガリー大学の16歳から41歳の学部生287名を対象に、媒介モデルを検証した。参加者は、GDの重症度(Game Addiction Inventory for Adults)、愛着(Experiences in Close Relationships)、感情調節障害(Difficulties in Emotion Regulation Scale)の自己報告式尺度に回答した。仮説通り、不安な愛着が大きいほど、GD症状が強く、感情調節障害の重症度が高くなることが有意に示された。さらに、不安な愛着をコントロールした場合、感情調節障害はより大きなGD症状を予測した。重要なことは、情動調節障害は不安定な愛着とGDの関係を有意に媒介することであった。本研究の結果は、大学生の不安な愛着と過剰なゲームとの関係を感情調節障害が媒介する可能性を示唆している。これらの結果は、非問題行為への関与とGDの区別に情報を提供する可能性を持っている。