ポーランド版ゲーム障害テストの心理測定評価と性差不変性

  • Cudo, A., Montag, C., & Pontes, H. M. (2022). Psychometric Assessment and Gender Invariance of the Polish Version of the Gaming Disorder Test. International Journal of Mental Health and Addiction. https://doi.org/10.1007/s11469-022-00929-4

概要
2019年、世界保健機関(WHO)により、ゲーム障害(GD)が正式な精神疾患として承認さ れた。現在、Gaming Disorder Test(GDT)は、WHOの枠組みに従ってGD症状を評価するために最も広く利用されている心理測定ツールの1つである。そこで、本研究では、ポーランド文化圏で使用可能なGDTのポーランド語版を開発することを目的とした。さらに、ポーランド語版GDTの心理測定学的特性と適切性を確認することを目的とした研究である。この目的を達成するために、ポーランド語GDTの妥当性、信頼性、および性別測定不変性を2つの研究を通して調査した。研究1では、675名のゲーマー(女性340名、平均年齢31.74歳、SD=7.75歳、範囲:15-45歳)を、研究2では、575名のゲーマー(女性275名、平均年齢29.45歳、SD=4.25歳、範囲:18-35歳)を採用し、GDTを実施した。ポーランド語GDTの心理測定特性を評価するために、確認的因子分析(CFA)が用いられた。信頼性は、Cronbachのα、McDonaldのω、Average Variance Extractedを用いて評価された。性別の測定不変性は多群CFAを用いて検討し、一次元性は項目残差絶対負荷量の平均値(MIREAL)、説明済み共通分散(ECV)、一次元一致度(UC)を用いて検定した。心理分析の結果、ポーランド語GDTは1因子構造であることが示された。さらに、ポーランド版GDTは、収束妥当性、信頼性、厳密な性別測定不変性を十分なレベルで示すことが示された。これらの結果は、ポーランド版GDTがGDを評価するのに適した心理測定テストであり、GDに関する研究を促進することを示唆するものである。