機能障害、洞察力、国際疾病分類第11版におけるゲーム障害と「精神疾患の診断と統計マニュアル第5版」におけるインターネットゲーム障害の基準との比較

  • Yen, J.-Y., Higuchi, S., Lin, P.-Y., Lin, P.-C., Chou, W.-P., & Ko, C.-H. (2022). Functional impairment, insight, and comparison between criteria for gaming disorder in the International Classification of Diseases, 11 Edition and internet gaming disorder in Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2022.00079

目的】本研究では,国際疾病分類第11版(ICD-11)のゲーム障害(ICD-11-GD)と,精神障害の診断・統計マニュアル第5版(DSM-5)のインターネットゲーム障害(DSM-5-IGD)の基準の整合性を評価した。さらに、参加者の機能障害とGDの洞察力を評価した。

方法 GD患者60名、危険なゲーム(HG)参加者45名、対照者120名を診断的問診に基づいて募集した。機能障害の運用と変化段階は、面接とBGNCS(Brief Gaming Negative Consequence Scale)を含む質問紙で評価された。

結果 ICD-11-GDとDSM-5-IGDの診断基準の間には,91.5%の診断精度と満足できる一貫性(カッパ値=0.80)が認められた。さらに,DSM-5でIGDと判定された16名は,ICD-11の基準ではHGと判定された。GD群の参加者は、健康(96.7%)、キャリア(73.3%)、社会生活(61.6%)、学業成績(36.7%)、職務成績(35%)で機能障害を経験した。さらに、前思考段階(25.0%)、熟考段階(61.7%)、準備段階(10%)、行動段階(3.3%)にある者の割合が高かった。

結論 ICD-11-GDとDSM-5-IGDの基準には良い一貫性がある。ICD-11の基準はGDを診断するための高い閾値を有している。HG基準はこの高い閾値を補い、ゲームに関連した機能障害を持ち、助けを必要とする個人を特定することができる。GDの参加者のほとんどは、変化の初期段階にあった。彼らの洞察を促進するための介入は不可欠である。BGNCSは、ゲームの負の影響を検討し、精神保健の専門家が機能障害を評価するのに役立つと考えられる。