インターネットゲーム障害、運動、注意欠陥多動性障害。うつ病、不安、ストレスの症状の役割

  • Masklavanou, C., Triantafyllou, K., Paparrigopoulos, T., Sypsa, V., & Pehlivanidis, A. (2022). Internet gaming disorder, exercise and attention deficit hyperactivity disorder: The role of symptoms of depression, anxiety and stress. Psychiatriki. https://doi.org/10.22365/jpsych.2022.098

テクノロジーの進歩の過度な利用により、過去数十年の間に高まった問題のひとつが、インターネットゲーム障害(IGD)だ。過去の研究では、IGDと運動には負の相関があり、またIGDと注意欠陥多動性障害(ADHD)には正の相関があると結論付けられています。しかし、これらのテーマに関する既存の研究は乏しいものである。さらに、研究者は、うつ病、不安、ストレスの症状が、IGDおよびADHDと正の相関を示し、運動と負の相関を示すことを明らかにしている。その結果、もしかしたらこれらの症状がIGD、運動、ADHDの関係を媒介するのかも知れない。本研究の目的は、IGDと運動、およびIGDとADHDの関係を調査することである。成人515名を対象に、Googleフォームによる相関研究を実施した。IGD症状の検出にはInternet Gaming Disorder Scale-Short-Formを、参加者の余暇運動習慣を評価するためにLeisure-Time Exercise Questionnaireを、ADHD症状の評価にはBarkley Adult ADHD Rating Scaleを使用した。さらに、うつ病、不安、ストレスの症状を評価するために、Depression, Anxiety and Stress Scale-21を使用した。その結果、IGD症状と余暇運動には負の相関があり、IGD症状とADHD症状には正の相関があることがわかりました。さらに、検討したすべての変数を考慮すると、不注意症状および衝動性症状がIGD症状と有意に関連していること、一方、うつ病の症状はIGD症状と注意欠陥との関連およびIGD症状と衝動性との関連を部分的かつ有意に媒介することが示された。本研究の結果から、IGD症状を抱える人は、自由な時間に運動することが少ない傾向があることが示唆さ れた。また、IGDの症状が強い人は、ADHDの症状、特に不注意や衝動性の症状が強いだけでなく、うつ病の症状も強いことが分かっている。したがって、臨床医は、IGDとその結果をより効率的に治療するだけでなく、予防するために、IGD患者を治療する際にこれらの症状が併存している可能性を評価する必要がある。