大学生におけるスマートフォン嗜癖、孤独感、自己愛性パーソナリティ、家族への帰属意識。パス分析

  • Gökçearslan, Ş., Yildiz Durak, H., Berikan, B., & Saritepeci, M. (2021). Smartphone Addiction, Loneliness, Narcissistic Personality, and Family Belonging Among University Students: A Path Analysis. Social Science Quarterly, 102(4), 1743–1760. https://doi.org/10.1111/ssqu.12949

背景
スマートフォン嗜癖(SPA)と孤独感の関係はいくつかの研究で検討されているが、SPAと孤独感の関係に対する自己愛や家族に関する変数の媒介効果については、まだ文献が存在しない。

研究の目的
本研究では、SPAの孤独感に対する役割と、自己愛性人格と家族帰属の孤独感に対する媒介効果について検討する。

参加者と設定
公立大学に在籍する学部生(n=500)を対象に、オンライン調査により研究に必要なデータを取得した。

調査方法
本研究では、パス分析により変数間の関係性を明らかにした。

結果
パス分析の結果、SPAと孤独感の間には、有意な正の関係があることが示された。モデルによると、自己愛性パーソナリティと家族帰属度との間には、有意な関係は認められなかった。SPAと自己愛性パーソナリティ特性の間には、負の有意な媒介効果がある。SPAと家族帰属度との間には、正で有意な媒介効果がある。研究結果について、大学生に関する考察と今後の方向性を示した。

結論
これらの研究結果によれば、SPAは孤独感を予測する。家族帰属度が低下すると、SPAは上昇する。大学生と家族・環境との関係は、SPAを評価する際に考慮すべき変数の一つである。