スマートフォン嗜癖が大学生の筋骨格系問題と認知的柔軟性に及ぼす影響の検討

  • İnal, Ö., & Serel Arslan, S. (2021). Investigating the effect of smartphone addiction on musculoskeletal system problems and cognitive flexibility in university students. Work, 68(1), 107–113. https://doi.org/10.3233/WOR-203361

背景
スマートフォンの利用は日常生活の中で一般的になってきており、状況によっては嗜癖につながる可能性がある。

目的
本研究は、大学生のスマートフォン嗜癖と筋骨格系の問題および認知的柔軟性の関係を調査することを目的とする。

方法
スマートフォン嗜癖はスマートフォン嗜癖尺度(SAS)、筋骨格系症状の評価は北欧筋骨格系質問票(NMQ)、痛みはVAS(Visual Analog Scale)を用いて評価した。認知的柔軟性はCognitive Flexibility Inventory (CFI)を用いて評価した。

結果
SAS総スコアと背中上部、背中下部、股関節、足の筋骨格系の問題との間に有意な相関が認められた(p < 0.05, r = 0.11; r = 0.16; r = 0.11; r = 0.13, r = 0.14).スマートフォン嗜癖は、首痛、右手痛、右腕痛と有意な正の相関を示した(p < 0.05, r = 0.13; r = 0.17; r = 0.14)。CFI総スコアとSAS総スコアには有意な負の相関があった(p < 0.05, r = – 0.13)。

結論
スマートフォン嗜癖は、大学生の筋骨格系の問題、痛み、認知の柔軟性と関連している。環境規制や政策だけでなく、活動的なライフスタイル、身体活動、人間工学的な取り決め、個人の行動修正を奨励することで、スマートフォン依存症の悪影響を排除できる可能性がある。