ヨルダンの歯学生におけるスマートフォン嗜癖、睡眠の質、知覚ストレスの関連性

  • Sanusi, S. Y., Al‐Batayneh, O. B., Khader, Y. S., & Saddki, N. (2022). The association of smartphone addiction, sleep quality and perceived stress amongst Jordanian dental students. European Journal of Dental Education, 26(1), 76–84. https://doi.org/10.1111/eje.12674

はじめに
スマートフォン嗜癖は睡眠障害や心理的不安と関連があるとされている。しかし、特に歯学部の大学生におけるスマートフォン嗜癖、睡眠の質、知覚ストレスの関連性についてはほとんど知られていない。本研究では、ヨルダンの歯学部の学生を対象に、これらの変数との関連について調査した。

材料と方法
ヨルダン科学技術大学の2017/2018年度に入学した歯学部の学生420名をサンプルとして本研究に参加した。彼らには、人口統計学的情報、スマートフォン使用の特徴、スマートフォン嗜癖の評価、睡眠の質、ならびに知覚ストレスに関する質問からなる自記式質問票一式が与えられた。

結果
ヨルダンの歯学生におけるスマートフォン嗜癖尺度(SAS)の平均得点は高かった(109.9±23.8)。SASとGlobal Pittsburg Sleep Quality Index(PSQI)スコアとの相関は有意であり(r = .137, P = .005)、スマートフォン嗜癖レベルが高いほど、睡眠の質が低いことが示された。同様に、知覚ストレス尺度10(PSS-10)スコアとグローバルPSQIスコアの間に有意な相関が認められ(r = .348、P < .001)、知覚ストレスが高い学生は睡眠の質が低いことが示唆された。年生(臨床年次)、スマートフォン嗜癖、知覚ストレスが睡眠の質の決定要因であった。

結論
スマートフォン嗜癖が高い、または知覚されたストレスレベルが高い歯学部生は、睡眠の質が低いことがわかった。学生のスマートフォン嗜癖やストレス要因を特定することは、教育キャンペーン、カウンセリング、心理療法、ストレスマネジメントなどの形で、タイムリーな支援やサポートを可能にするために必須の対策である。