注意欠陥多動性障害のある青年とない青年のスマートフォン嗜癖度、気質・性格、保護者の態度の比較

  • Kocyigit, S., Guzel, H. S., Acikel, B., & Cetinkaya, M. (2021). Comparison of Smartphone Addiction Level, Temperament and Character and Parental Attitudes of Adolescents with and without Attention Deficit Hyperactivity Disorder. International Journal of Mental Health and Addiction, 19(4), 1372–1384. https://doi.org/10.1007/s11469-021-00494-2

本研究は、注意欠陥多動性障害(ADHD)を持つ青年と持たない青年のスマートフォン嗜癖レベル、気質、性格と親の意識を比較することを目的としている。この目的のため、ADHDの有無にかかわらず、143名の青年とその親を研究に含めた。参加者は、”スマートフォン嗜癖尺度-短縮版”、” Junior Temperament and Character Inventory “、”Parental Attitude Research Instrument “を記入した。分析の結果、ADHDを持つ青少年のスマートフォン嗜癖スコアは、ADHDを持たないグループに比べ、有意に高かった。両グループは、気質・性格と親の態度に違いがあった。階層回帰分析の結果、ADHD群では「新奇性追求の高さ」と「過保護な親の態度の低さ」がスマートフォン嗜癖得点と有意に関連し、ADHDなし群では「新奇性追求の高さ」と「持続性の低さ」がスマートフォン嗜癖得点と有意に関連することが明らかになった。本研究は、ADHDとスマートフォン嗜癖の関係を示すという意味で、極めて重要である。また、親の態度や気質・性格に関連する重要な知見も明らかにされた。