スマートフォン嗜癖と頭頸部痛および咀嚼筋の電位差活動との関連性

  • Foltran-Mescollotto, F., Gonçalves, É. B., Castro-Carletti, E. M. de, Oliveira, A. B., Pelai, E. B., & Rodrigues-Bigaton, D. (2021). Smartphone addiction and the relationship with head and neck pain and electromiographic activity of masticatory muscles. Work, 68(3), 633–640. https://doi.org/10.3233/WOR-203398

背景
スマートフォンの過度な使用は、行動的・身体的な健康の変化と関連し、頭頸部領域の筋骨格系の変化を引き起こす可能性がある。

目的
大学生におけるスマートフォン嗜癖の有病率、およびスマートフォン使用前後の頭頸部痛の症状や安静時の咀嚼筋・僧帽筋活動との相関を評価すること。

方法
20名の大学生が研究に参加した。彼らはスマートフォン嗜癖尺度とFonseca Anamnestic Indexに回答した。次に、参加者を着席させ、咬筋、側頭筋、僧帽筋に表面電極を配置し、筋電図の準備を行った。スマートフォン使用30分前と30分後の10秒間、安静状態のデータを収集した。

結果
その結果、評価対象者の35%がスマートフォン嗜癖に分類され、35%が過去30日間に頭や首の痛みがなかったと報告した。また、スマートフォン使用と頭頸部痛の関連性は認められなかった。筋電図では、左右の咬筋と左僧帽筋にスマートフォン使用後のRMS値の上昇が見られた。

結論
大学生はスマートフォン嗜癖と頭頸部痛の有病率が高かったが、これらは統計的に関連しなかった。スマートフォン使用前後で、右僧帽筋にのみ筋活動の変化が見られた。これらの結果は、スマートフォンの使用が頸部の痛みと電気的筋活動の変化を相関させ、頸部筋の疲労につながるという現在の考え方に反している。