クロノタイプと衝動性、注意欠陥障害、インターネット、ソーシャルメディア、スマートフォン嗜癖との関連性

  • Department of Psychiatry, Sanko University School of Medicine, Gaziantep, Turkey, Yilbas, B., Gunel Karadeniz, P., & Department of Biostatistics, Sanko University School of Medicine, Gaziantep, Turkey. (2022). The Relationship Between Chronotype and Impulsivity, Attention-Deficit Disorder, Internet, Social Media, and Smartphone Addiction. ALPHA PSYCHIATRY, 23(4), 203–209. https://doi.org/10.5152/alphapsychiatry.2022.21656

背景 本研究の目的は、大学生をサンプルとして、クロノタイプと衝動性、注意欠陥障害、スマートフォン、ソーシャルメディア、インターネット嗜癖の関係を調査することである。

方法 本研究は、2021年5月から7月にかけて本学で実施された。2020年~2021年に対面教育を受けた本学医学部および保健医療学部(栄養・管理栄養学科、看護学科、理学療法・リハビリテーション学科)の学生の中から、合計255名の被験者を本研究で募集した。社会統計データ票、成人注意欠陥・多動性障害自己報告尺度、朝型-夜型質問紙、Barratt Impulsiveness Scale-11 Short Form、ヤングのインターネット嗜癖尺度、ソーシャルメディア嗜癖尺度-成人版、スマートフォン嗜癖尺度-短編版を研究調査員が対面面接により実施した。

その結果 学生では、中間型が最も多く(n = 157)、夜型が最も少なかった(n = 44)。また,スマートフォンやインターネットの利用時間では,クロノタイプに違いが見られた(P = 0.001,P<0.001)。夜型は他のクロノタイプと比較して,成人注意欠陥・多動性障害自己報告尺度,朝型-夜型質問紙,バラット衝動性尺度-11短編,ヤングのインターネット嗜癖尺度,ソーシャルメディア中毒尺度-成人版,スマートフォン中毒尺度-短編の平均スコアが有意に高かった。女子学生と男子学生は、すべての尺度で同程度のスコアを示した。また、クロノタイプは男女で差がなかった。

結論 本研究の結果、夜型では他のクロノタイプに比べ、スマートフォン、インターネット、ソーシャルメディアへの嗜癖の頻度が高いことが示された。夜型に見られる衝動性や注意力の問題が、スマートフォンやインターネット、ソーシャルメディアへの依存を引き起こす素因になっている可能性がある。