年齢と性別で分類された大学生のスマートフォン嗜癖と上半身筋骨格系症状との関連性

  • Hanphitakphong, P., Keeratisiroj, O., & Thawinchai, N. (2021). Smartphone addiction and its association with upper body musculoskeletal symptoms among university students classified by age and gender. Journal of Physical Therapy Science, 33(5), 394–400. https://doi.org/10.1589/jpts.33.394

[目的】本研究の目的は以下の通りである。1)大学生におけるスマートフォン嗜癖を調査する、2)回答者の座位姿勢と関連した上半身筋骨格系症状の有病率を調査する、3)年齢と性別で分類したスマートフォン嗜癖と上半身筋骨格系症状の関連性を明らかにする、ことであった。[参加者と方法】タイ・チェンマイの大学生2,645名からデータを収集するために、2種類の自己報告式質問票を採用した。[結果】回答者2,027名(男性860名、女性1,167名)のうち、参加者の年齢は18歳から26歳で、平均年齢は20.5±1.38歳であった。参加者のスマートフォン嗜癖と上半身筋骨格系症状の有病率はそれぞれ15.9%と30%であった。全体として、痛みの重症度の平均値は、視覚的アナログスケールで10段階中3.66±1.67であった。多変量ロジスティック回帰分析の結果、スマートフォン嗜癖(OR=6.05、95%CI:4.68-7.84)は、年齢と性別で調整すると上半身の筋骨格系症状と有意に関連することが明らかになった。[結論】上半身の筋骨格系症状の有病率は比較的高く、特に女性のスマートフォンユーザーと20歳以上の学生で高かった。これらの結果から,スマートフォン嗜癖は大学生における上半身筋骨格系症状の潜在的なリスク因子である可能性が示唆された。