スマートフォン嗜癖とアレキシサイミアの関係について

  • Gündoğmuş, İ., Aydın, M. S., & Algül, A. (2021). The Relationship of Smartphone Addiction and Alexithymia. Psychiatry Investigation, 18(9), 841–849. https://doi.org/10.30773/pi.2021.0072

目的 本研究は、大学生におけるスマートフォン嗜癖(SA)がソーシャルメディアの利用やアレキシサイミアレベルと関連しているかどうかを評価することを目的とする。方法 イスタンブールの異なる大学から18歳から45歳の学生935名(女性509名、男性426名)のグループを募集した。SA、アレキシサイミア、ソーシャルメディアの利用は、スマートフォン嗜癖尺度ショートバージョン(SAS-SV)、トロント・アレキシサイミア尺度20(TAS-20)、ソーシャルメディアの利用に関するアドホックな質問を用いて評価された。結果 参加者の平均年齢は21.89±3.27歳で、参加者のうち509人が女性(54.4%)であった。455名(48.6%)が「SA」、198名(21.2%)が「アレキシサイミア」のカテゴリーに位置づけられた。本研究では、TAS-20の下位尺度得点および合計得点とSAS-SV得点の間に高い正の相関(p<0.001)があることを見いだした。性別(OR=1.496, 95% CI 1.117-2.002, p=0.007)、参加者のソーシャルメディア数(OR=1.221, 95% CI 1.134-1.315, p<0.001)、TAS(OR=1.074, 95% CI 1.059-1.090, p<0.001)についてはSAの独立予測因子であったことが判明した。結論 本研究により,アレキシサイミアとスマートフォン使用重症度の間に正の相関があり,アレキシサイミアはSAの有意な予測因子であることが明らかになった。今後、この関係の因果関係に着目した研究を行うことで、治療の戦略立案に役立つと考えられる。