余暇退屈度、余暇満足度、スマートフォン嗜癖の関係性 大学生を対象とした研究

  • Serdar, E., Demirel, M., & Harmandar Demirel, D. (2022). The Relationship between the Leisure Boredom, Leisure Satisfaction, and Smartphone Addiction: A Study on University Students. International Journal of Technology in Education, 5(1), 30–42. https://doi.org/10.46328/ijte.235

本研究は、大学生における余暇の退屈さ、余暇の満足度、スマートフォン嗜癖の関係を記述することを目的とした。研究サンプルは、イスタンブール大学-チェラパシャ体育学部で学ぶ、男性143名、女性115名の計258名であった。参加者は、目的別サンプリング法によって選ばれた。データ収集ツールは、個人情報フォーム、「余暇退屈尺度(LBS)」、「余暇満足尺度(LSS)」、「スマートフォン嗜癖尺度-ショートバージョン(SAS-SV)」であった。独立 t 検定の結果、SAS-SV は性別によって有意な差が見られた。MANOVAの結果、LBSの「満足」下位次元とLSSの「教育」「社会」「身体」「リラックス」下位次元の間に、性別による有意差が認められた。所得状況別では、LBSの “満足 “下位次元とLSSのすべての下位次元の間に有意差が認められた。ANOVA の結果によると、参加者の所得状況による SAS-SV の得点の間には有意な関係は見られなかった。さらに、年齢とLBSの「満足」下位次元、LSSの「身体」「リラックス」下位次元、SAS-SVの間には、負の低い相関が見られた。LBSの “退屈 “とLSSの “心理的”、”社会的”、”リラックス “下位次元との間には負の低い相関があり、LBSとSAS-SVの間には正の低い相関があった。同様に、LSSのすべての下位次元とSAS-SVの間にも正の低い相関があると判断された。この意味で、LBS、LSS、SAS-SVの得点は、参加者の社会・人口統計学的特性によって異なると結論された。余暇の退屈さが増すと、余暇の満足度は低下し、スマートフォン嗜癖は増加する。また、余暇の満足度が向上すると、スマートフォン嗜癖が増加することがわかった。