サブヘルス状態の有病率とそのメンタルヘルスおよびスマートフォン嗜癖への影響:中国人医学生を対象とした横断的研究

  • Zhang, M., Zhou, Z., Tao, X., Huang, L., Zhu, E., Yu, L., & Liu, H. (2022). Prevalence of subhealth status and its effects on mental health and smartphone addiction: A cross-sectional study among Chinese medical students. Revista da Associação Médica Brasileira, 68(2), 222–226. https://doi.org/10.1590/1806-9282.20210977

概要
目的 本研究は、中国の医学生を対象に、最適でない健康状態またはサブヘルス状態と、メンタルヘルスおよびスマートフォン嗜癖との関係について調査することを目的とした。

方法
蕪湖市にある中国万南医科大学で横断的調査を実施した。

結果
2020年10月に合計2,741名の学生を対象に調査を行った。調査に参加した2,741人の中国人医学生のうち、904人(33%)がサブヘルス状態であったと報告した。不安状態(p<0.001)、うつ状態(p<0.001)、スマートフォン嗜癖状態(p<0.001)は、サブヘルス状態と強い関連性を持っていることがわかった。

結論
今回の調査で、中国の医学生におけるサブヘルス状態の発見率は33%であることがわかった。不安症、うつ病、スマートフォン嗜癖の学生はサブヘルス状態の検出率が高かった。中国人医学生の不安、うつ、スマートフォン嗜癖はサブヘルス状態と関連がある。

サブヘルス

Suboptimal Health Status(SHS)[1][2]、またはSubhealth[3]、Sub-Health(中国語:亚健康)は、心理行動や身体特性、健康診断のいくつかの指標に何らかの障害があり、典型的な病理的特徴がない状態と定義できる[3]。健康でもなく病気でもない、その中間的な状態を定義する治療上の概念と考えられている[3]。人間には様々な不快な症状があるが、標準的な医学的観察方法によって特定できる明らかで診断可能な病気はない。この概念は、1980年代半ばに旧ソ連の学者バークマンによって「第三の状態」として初めて提示された[4]。 また、「中間状態」「灰色の状態」「一般的な倦怠感」といった異なる言葉として解釈されることもある。亜健康は、中国人に、あるいは中国伝統医学(TCM)に関連して広く使われている用語である[5]。

SHSという概念は、人々に医療品を売るために生み出されたものだと感じる人もいる[6]。

https://en.wikipedia.org/wiki/Suboptimal_health

「不定愁訴」に該当する言葉ではないかと思われる。また、「未病」という概念にも近いのかもしれない。