思春期の学生におけるスマートフォン嗜癖。家族のコミュニケーション、学習、指導、カウンセリングへの示唆

  • Atmoko, A., Sari, I. K., Da Costa, A., Utami, N. W., & Wahyuni, E. T. (2022). Smartphone Addiction among Adolescence Students: Its Implication toward Family Communication, Learning, Guidance and Counselling. Jurnal Kajian Bimbingan dan Konseling, 7(1), 1–9. https://doi.org/10.17977/um001v7i12022p1-9

要旨: 思春期の生徒において、スマートフォン嗜癖の症状が広く観察されている。本研究では,スマートフォン嗜癖が生徒の家族とのコミュニケーションや学習,指導・カウンセリングに及ぼす影響について検討することを目的とした。本研究では、中学2年生を対象に、因果相関デザインを用いて、103名の参加者を抽出した。データは、スマートフォン嗜癖尺度と家族コミュニケーション尺度で収集された。両尺度の項目妥当性は0.3であり、αクロンバック信頼性はそれぞれ0.937と0.850であった。得られたデータは、回帰を用いて分析した。分析の結果、スマートフォン嗜癖は、生徒の家族とのコミュニケーションの質を-0,416と、有意に低下させることが示唆された。この結果は、スクールカウンセラーや教科担当者が学習プロセスを策定・実施する際に、スマートフォン利用を抑制するのではなく、学習メディアとしてスマートフォンを活用することで、スマートフォン嗜癖の影響を軽減し、コミュニケーション能力を高め、学習効率を高めるための基礎となりうるものであることがわかった。