スマートフォンのソーシャル利用がスマートフォン嗜癖に与える諸刃の影響。パラレル・メディエーション・モデル

  • Chang, K., Li, X., Zhang, L., & Zhang, H. (2022). A Double-Edged Impact of Social Smartphone Use on Smartphone Addiction: A Parallel Mediation Model. Frontiers in Psychology, 13, 808192. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2022.808192


スマートフォン嗜癖に対する非ソーシャルなスマートフォン利用の予測的役割はエビデンスによって裏付けられているが、ソーシャルなスマートフォン利用とスマートフォン嗜癖の関係については不明である。本研究では、ソーシャルなスマートフォン利用がスマートフォン嗜癖に諸刃の影響を与えるかどうかを検討した。中国の大学生909名のサンプルデータを用いて、オンラインソーシャルサポートとリアルソーシャルサポートを媒介因子とした並列媒介モデルを検証した。予測通り、ソーシャルスマートフォン利用は、リアルなソーシャルサポートを通じてスマートフォン嗜癖を弱め、オンラインソーシャルサポートを通じてスマートフォン嗜癖に寄与することがわかった。さらに、オンライン・ソーシャルサポートの媒介経路におけるagreeablenessの調整的役割を検証した。agreeablenessは間接効果のみを調整した。具体的には、オンライン・ソーシャルサポートのスマートフォン嗜癖に対する予測効果は、agreeablenessが高い場合よりも低い場合の方が大きいことがわかった。この結果は、社会的欲求がスマートフォン嗜癖の形成に重要な役割を果たすことを示唆している。また、いくつかの限界と含意についても議論している。