日本の青少年におけるスマートフォン嗜癖尺度 the Smartphone Addiction Scaleの日本版.信頼性・妥当性評価

  • Otsuka, Y., Kaneita, Y., Itani, O., & Matsumoto, Y. (2022). The Japanese Youth Version of the Smartphone Addiction Scale Among the Youth in Japan: Reliability and Validity Assessment. International Journal of Mental Health and Addiction. https://doi.org/10.1007/s11469-021-00594-z

概要
本研究は、日本の青少年を対象に、日本語版スマートフォン嗜癖尺度(SAS)の信頼性と妥当性を評価し、スマートフォンの使いすぎの背景にある要因を検討することを目的とした。データは日本語を話す若者1037人(15歳から24歳の男性631人、女性406人)から収集された。因子分析の結果、日本語版SASでは因子負荷が0.42から0.72の範囲にある6つの因子が示された。また,この尺度の33項目に対するCronbachのαは0.94であった.また,この尺度はテスト・リテスト得点に対して良好な信頼性を示した(クラス内相関係数3,1 = 0.92)。重回帰分析の結果、スマートフォンの使い過ぎに関連する要因は、女性性別、スマートフォン利用時間の長さ、メンタルヘルス不良、バーチャルな友人との接触、スマートフォンゾンビ(歩きながらスマートフォンを使い、周囲に注意を払わない)であることが示された。家族やリアルの友人とのコミュニケーションは、スマートフォンの使い過ぎとは関連がなかった。このように、この尺度は、日本の若者に対して信頼性と妥当性があることが示された。この尺度は、自己評価によるチェック指標としての利用、スマートフォンの問題使用の早期発見、スマートフォン過使用の臨床的変化の測定など、多くの可能性を持っている。