親のネグレクトがネットいじめの加害に及ぼす影響。スマートフォン嗜癖と自己制限によって調整された媒介モデル

要旨
本研究では、親のネグレクトが思春期のネットいじめ加害と有意に関連するか、また、この関係がスマートフォン嗜癖によって媒介されるかどうかを検討する。さらに、思春期のいじめ加害に対する親のネグレクトの直接効果および間接効果における自己規制の修飾性を明らかにする。高等学校の10年生から12年生までの中国の青年728名を無作為抽出し、親のネグレクト、スマートフォン嗜癖、自己規制、ネットいじめ加害に関する匿名アンケートに回答してもらう。そして、データはマクロPROCESSを用いて分析される。その結果、親からネグレクトされている青年は、ネットいじめの加害行為に及ぶ可能性が高いことが明らかになった。スマートフォン嗜癖は、上記の関係を有意に部分的に媒介する。さらに、自己調整は、ネットいじめ加害と親からのネグレクトの関係を調整するだけでなく、青年におけるスマートフォン嗜癖との関連も調整することが明らかになった。本研究は、親のネグレクトがどのように思春期のネットいじめ加害のリスクを高めるかについての理解を深めることに貢献し、そのリスクは個人に合わせた介入によって軽減される可能性がある。