スマートフォン嗜癖と自殺の関連性

  • Shinetsetseg, O., Jung, Y. H., Park, Y. S., Park, E.-C., & Jang, S.-Y. (2022). Association between Smartphone Addiction and Suicide. International Journal of Environmental Research and Public Health, 19(18), 11600. https://doi.org/10.3390/ijerph191811600

概要
目的 本研究は、スマートフォンの使い過ぎのリスクを認識するために、韓国の青少年におけるスマートフォン過依存(スマートフォン嗜癖)と自殺念慮・自殺未遂の関連性を探ることを目的としたものである。

方法
データは、2020年韓国青少年リスク行動ウェブ調査の結果から得た。スマートフォン嗜癖は3群に分類され、23点未満の青少年を一般利用者群として参照とし、23~30点を潜在リスク利用者群、31点以上を高リスク利用者群に分類された。本研究では,自殺念慮と自殺未遂を従属変数とした。多重ロジスティック回帰を用いて、韓国の青少年におけるSAと自殺念慮および自殺未遂の状態との関係を分析した。

結果
本研究では、中高生の青年54,948人の中から、スマートフォンの一般ユーザー41,173人、潜在的リスクユーザー12,142人、ハイリスクユーザー1633人を対象とした。潜在的にリスクの高いスマートフォン使用者の青年は、自殺念慮の可能性が高いことが示された(OR:1.50、CI:1.42-1.60)。同様に、ハイリスクなスマートフォン利用をする青年は、一般利用者である青年と比較して、自殺念慮(OR: 2.49, CI: 2.21-2.81) および自殺未遂(OR: 1.87, CI: 1.48-2.37) の有意なリスクを示した。

結論
本研究結果は、思春期の子どもたちのスマートフォン嗜癖が、自殺念慮や自殺未遂に至るような精神衛生上の高リスクにつながることを、保護者やソーシャルワーカーが認識することを促すものである。