COVID-19 パンデミック後の中国人大学生におけるオンライン学習、スマートフォン嗜癖問題、および心理的症状の関連性

  • Zhang, C., Hao, J., Liu, Y., Cui, J., & Yu, H. (2022). Associations Between Online Learning, Smartphone Addiction Problems, and Psychological Symptoms in Chinese College Students After the COVID-19 Pandemic. Frontiers in Public Health, 10, 881074. https://doi.org/10.3389/fpubh.2022.881074

概要
背景 スマートフォンを利用したオンライン教育は、COVID-19のパンデミック時およびその後に人気を博した。最近の研究では、問題あるスマートフォンの使用problematic smartphone use(PSU)とメンタルヘルス症状との関連が強調されているが、この関係におけるオンライン学習の潜在的な役割は依然として不明である。本研究は、大学生における高等教育モード、PSU、および関連する心理的症状との関係を分析することを目的とした。

方法
2020年3月から2021年10月にかけて、5つの省に住む中国の大学生1,629人がウェブ上のアンケート調査に協力した。人口統計学的特徴および学習状況を記録した。参加者全員がスマートフォン嗜癖尺度-短縮版Smartphone Addiction Scale-Short Version、患者健康質問票、全般性不安障害尺度、アテネ不眠症尺度を記入した。重回帰モデルと層別分析を用いて、オンライン教育モード、PSUとうつ病、不安症、不眠症の症状との関連を検討した。

結果
PSUの有病率は58.5%であった。主にオンライン学習に依存していた学生は、従来の対面学習に依存していた学生よりも、抑うつ症状(29.95%対22.24%)、不安症状(25.13%対18.91%)、不眠症状(75.89%対70.27%)の有病率が高かった < 0.05) 。共変量で調整した結果、PSUを持つ被験者は、持たない被験者よりも、抑うつ症状(AdjOR = 3.14, 95% CI = 2.26-4.37)、不安症状(AdjOR = 3.73, 95% CI = 2.13-4.59)、不眠症状(AdjOR = 2.96, 95% CI = 2.23-3.92 )を報告する傾向が強かった。さらに、PSUと抑うつ症状(OR = 4.66 vs. 2.33, P for interaction = 0.015)および不安症状(OR = 6.05 vs. 2.94, P for interaction = 0.021)の関連は、オンライン学習群でより顕著であった。

結論
本研究は、中国の大学生が深刻なスマートフォン嗜癖 の問題を抱えており、それが抑うつ、不安、不眠症状と関連していることを示す予備的な証拠となる。オンライン学習は、PSUと精神的健康問題を悪化させることが判明した。我々の知見は、ポストCOVID-19時代における標的型心理学的介入に貴重な情報を提供する。