韓国人両親のスマートフォン嗜癖と子どもの嗜癖の関係。子どものうつ病と社会的ひきこもりの媒介効果について

  • Lim, S.-I., & Jeong, S. (2022). The Relationship between Korean Parents’ Smartphone Addiction and That of Their Children: The Mediating Effects of Children’s Depression and Social Withdrawal. Undefined. https://www.semanticscholar.org/paper/The-Relationship-between-Korean-Parents%E2%80%99-Smartphone-Lim-Jeong/b6b23c01ae29892dcfb97d716af5a0660ef20058

世界的にスマートフォンの利用者が増加する中、子どもたちが幼少期からスマートフォンを利用する機会が増えている。その結果、相当数の子どもたちがスマートフォン嗜癖のリスクにさらされており、深刻な社会問題として顕在化しつつある。スマートフォン嗜癖は、子どもの身体的、認知的、社会的な発達に悪影響を及ぼす可能性がある。これまでの研究では、親のスマートフォン嗜癖が子どもの嗜癖に影響を与えることが実証されている。そこで、本研究では、親のスマートフォン嗜癖と子どものスマートフォン嗜癖の関係、子どものうつ病や社会的引きこもりの媒介効果について検討する。データは、国立青少年政策研究所の2018年韓国児童・青少年パネル調査から抽出した。回答者は2011年の小学校4年生とその親からなる。データはSPSSバージョン21.0とAMOS 21.0ソフトウェアを使って分析した。結果、親のスマートフォン嗜癖とその子どもの関係は、子どもの社会的引きこもりに対して有意に正の媒介効果を持つが、子どものうつ病に対してはそのような効果はなく、子どものうつ病と社会的引きこもりの系列効果も認められなかった。したがって、子どものスマートフォン嗜癖を軽減・予防するためには、親のスマートフォン利用をコントロールし、親子関係を改善し、社会的感受性を育む教育プログラムを開発する必要がある。