スマートフォン嗜癖を心配すべきなのか?COVID-19の時代におけるカナダの青少年の社会的断絶感に関する考察

  • Parent, N., Xiao, B., Hein-Salvi, C. V., & Shapka, J. D. (2022). Should We Be Worried about Smartphone Addiction? An Examination of Canadian Adolescents’ Feelings of Social Disconnection in the Time of COVID-19. Undefined. https://www.semanticscholar.org/paper/Should-We-Be-Worried-about-Smartphone-Addiction-An-Parent-Xiao/3aa19ba7a0d7db7075a57b0b11c02f935c668657

COVID-19の世界的流行により、対面での社会的接触が制限されたため、思春期の子どもたちの精神衛生上の懸念が高まった。さらに、多くの青少年が仲間とのコミュニケーションのためにテクノロジーに頼ったため、青少年のスマートフォン嗜癖に関する懸念も生じた。しかし、メンタルヘルスとテクノロジーへの関与が、生涯を通じたウェルビーイングの重要な発達的予測因子である青少年の社会的つながりの感覚とどのように関連しているかについては、まだ研究されていない。特に、COVID-19の時代において、社会的断絶や孤立のリスク要因として知られている青年のメンタルヘルスへの懸念とスマートフォン嗜癖が、社会的断絶感に寄与する相対リスクについてはほとんど分かっていない。本研究では、COVID-19の時期に、カナダの青年(n=1753)の社会的断絶感に対して、メンタルヘルスの成果やスマートフォンの嗜癖がどのように寄与しているかを調査した。2020年10月から2021年5月にかけて、ブリティッシュコロンビア州ローワーメインランド周辺の5つの中学校から、オンライン操作の自己報告式質問票を用いてデータを収集した。思春期の子どもたちは、スマートフォン嗜癖、内面化の問題、他者とのつながりの感情に関する自由形式の質問に回答した。ロジスティック回帰分析の結果、うつ病は社会的断絶を感じることの予測因子であることが明らかになった。しかし、COVID-19ではスマートフォン嗜癖は社会的断絶を感じることと関連はなかった。これらの知見は、社会的孤立が増加する時期(世界的なパンデミックなど)に社会的断絶のリスクを抱える青年を対象とした予防プログラムの開発に役立つと考えられる。特に、これらの知見は、スマートフォン嗜癖の高リスク者ではなく、抑うつ症状の高リスク者である青年が最もリスクが高いことを示唆している。