双極性障害者における問題あるインターネットの利用:心的外傷後ストレス症状との関係

  • Carmassi, C., Bertelloni, C. A., Cordone, A., Dell’Oste, V., Pedrinelli, V., Barberi, F. M., Massimetti, E., Bui, E., & Dell’Osso, L. (2021). Problematic Use of the Internet in Subjects With Bipolar Disorder: Relationship With Posttraumatic Stress Symptoms. Frontiers in Psychiatry, 12, 646385. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2021.646385

概要
背景 気分障害、特に双極性障害(BD)において、インターネットの問題ある使用(PUI)のリスクが高いことを示す文献がある。BDの被験者では、トラウマ的な出来事や心的外傷後ストレス障害(PTSD)が、アルコールまたは物質使用障害、およびギャンブル障害と関連している。しかし、トラウマへの曝露とPUIとの関連の可能性についてはほとんど知られていない。本研究は、BDの被験者において、PTSD症状以外のPUIとトラウマ曝露の関係を検討することを目的とした。方法:BD患者113名を対象とした。 113名のBD患者を対象に、PUIの可能性があるかスクリーニングを行った。さらに、トラウマイベントと心的外傷後ストレス症状を評価するためにTrauma and Loss Spectrum Self-Report (TALS-SR)を記入した。結果:24名(21.2%)の被験者が推定PUIを報告した。PUIと思われる被験者は、TALS-SRの「潜在的外傷性事象」「再体験」「不適応対処」「覚醒」、およびTALS-SR総スコアにおいて有意に高い得点を示していた。ロジスティック回帰モデルでは、潜在的外傷性事象および覚醒のTALS-SR領域と仮説的PUIとの間に正の相関が見られた。結論 BD患者の5人に1人がPUI陽性と判定された。PUIと生涯トラウマとPTSD症状との間に有意な関連があり、BD患者におけるPTSDとPUIの併存との関連性が浮き彫りにされた。