中国の青年における幼少期の心理的マルトリートメントとインターネットゲーム嗜癖:不適応な感情調節戦略および心理社会的問題の媒介役割

  • Wu, Y.-Q., Liu, F., Chan, K. Q., Wang, N.-X., Zhao, S., Sun, X., Shen, W., & Wang, Z.-J. (2022). Childhood psychological maltreatment and internet gaming addiction in Chinese adolescents: Mediation roles of maladaptive emotion regulation strategies and psychosocial problems. Child Abuse & Neglect, 129, 105669. https://doi.org/10.1016/j.chiabu.2022.105669

概要
背景 インターネットゲーム嗜癖(IGA)は世界的な関心事であり、特に幼児において顕著である。これまで、小児期の心理的虐待がIGAの発症に影響するとの指摘もあったが、その根拠は乏しい。

目的
本研究の目的は、児童期の心理的虐待と青年期のIGAとの関連、および不適応な感情調節方略と心理社会的問題(うつ病と社会不安)の媒介役割を調査することであった。

方法
本研究では、平均年齢16.09±0.98歳の中学生1280名(女子=690名)を募集した。参加者全員が、小児期の心理的虐待、不適応な感情調節戦略、心理社会的問題(うつ病と社会不安)、IGAの標準化された評価を受けた。

結果
IGAに対する小児期の心理的虐待の効果が、不適応な感情調節戦略や心理社会的問題(うつ病や社会不安)によって媒介されるかどうかを検討した。並列調停分析および逐次調停分析の結果、不適応な感情調節方略とうつ病は、小児期の心理的虐待とIGAの関係を媒介することが示された。

結論
小児期の心理的虐待は青年期のIGAと正の相関を示した。不適応な感情調整方略とうつ病は、ともに児童期の心理的虐待とIGAの関係を有意に媒介した。