思春期の子ども時代の有害体験とビデオゲームのプレイ時間との関連性。A-CHILD Studyの結果

  • Doi, S., Isumi, A., & Fujiwara, T. (2021). Association between Adverse Childhood Experiences and Time Spent Playing Video Games in Adolescents: Results from A-CHILD Study. International Journal of Environmental Research and Public Health, 18(19), 10377. https://doi.org/10.3390/ijerph181910377

概要
背景 ビデオゲームに費やす時間が長すぎることは、青少年における健康上の有害な転帰と関連している。親子関係の悪化や仲間との社会的関係が予測因子として考えられるが、子ども時代の有害体験(ACEs)がビデオゲームのプレイ時間と関連するかどうかはほとんど知られていない。目的は、青年期におけるACEsとビデオゲームをする時間との関連を検討することである。

方法
東京都足立区における人口ベースの横断研究である2016年と2018年のAdachi Child Health Impact of Living Difficulty(A-CHILD)研究のプールデータを用いた(N=6799,小学4年生,6年生,8年生)。思春期の子どもたちが、平日の1日あたりのビデオゲームのプレイ時間(「1時間未満」、「3時間未満」、「3時間以上」)とACE(8種類)を調べる質問票に回答している。

結果
順序ロジスティック回帰分析の結果、共変量で調整した後、ACE総スコアとビデオゲームのプレイ時間の間に正の関連が見られた(1ACE:OR = 1.28, 95% CI = 1.10-1.48; 2 ACEs: OR = 1.25、95% CI = 1.06-1.48;3+ACEs。OR = 1.44, 95% CI = 1.14-1.82, p for trend < 0.001)。各タイプのACEについて、片親の経験、親の精神疾患歴、仲間の孤立は、ビデオゲームをする時間と独立して正の相関があった。