病的ゲーミングの初期生活における対人関係および情緒的リスクファクター

  • Bussone, S., Trentini, C., Tambelli, R., & Carola, V. (2020). Early-Life Interpersonal and Affective Risk Factors for Pathological Gaming. Frontiers in Psychiatry, 11, 423. https://doi.org/10.3389/fpsyt.2020.00423

概要
インターネットゲームは、世界中で最も人気のある娯楽の一つである。しかし、かなりの割合のゲーマーが病的なゲームの症状を示している。インターネットゲーム障害(IGD)は、物質使用障害と身体的・心理的に多くの類似点を持つ行動嗜癖であることが提唱されている。IGDの発症や経過には、小児期や思春期における対人関係や人間関係のダイナミクスなどの環境要因が影響することが示唆されている。しかし、機能不全の家庭環境がIGDの発症に寄与していることを探る研究はまだ限られている。このミニレビューは、IGDの発症に対する幼少期の対人関係および人間関係のダイナミクスの影響に関する現在の知見を概観し、この分野の文献の現状を示すことを目的としている。特に、a) 家族機能、b) 親子関係、c) 小児期の虐待、d) いじめやネットいじめなどの早期生活における関係因子が、IGDの発症に調節的な役割を果たすことを強調する。この証拠に基づき、機能不全的な行動や感情と関連し、病的なゲーム性を促進することが知られている感情的な絆や身近な力学を「再構築」することを目的とした治療介入は、IGDの臨床的治療アプローチとして最も成功していると認識されている。