- Lutz Wartberg, L. Kriston, R. Thomasius, 2020, Internet gaming disorder and problematic social media use in a representative sample of German adolescents: Prevalence estimates, comorbid depressive symptoms and related psychosocial aspects, Comput. Hum. Behav. DOI:10.1016/j.chb.2019.09.014
ドイツの青年を対象としたインターネットゲーム障害と問題のあるソーシャルメディアの使用 有病率の推定値、併存する抑うつ症状および関連する心理社会的側面
背景 コンピュータゲームの問題的使用は、DSM-5(いわゆるインターネットゲーム障害、IGD)やICD-11に盛り込まれた。一方、ソーシャルメディアの問題的利用(problematic social media use: PSMU)に関する知見は乏しい。本研究は、代表的なサンプルを用いてIGDとPSMUの両方を調査した初めての研究である。方法 12~17歳のドイツ人1001名(女子483名、男子518名)を対象に、IGD、PSMU、抑うつ症状、およびその他の心理社会的側面について調査を行った(標準化された質問票:IGDS、SMDS、DesTeen、KUSIV3、Family APGAR)。結果 IGDの1年間の有病率は3.5%、PSMUは2.6%、IGDとPSMUを合わせた有病率は0.5%であった。IGDの14.3%、PSMUの34.6%、非罹患者の7.4%が、臨床的に関連する抑うつ症状を訴えていた。二変量ロジスティック回帰分析の結果、抑うつ症状の多さ、対人信頼度の低さ、家族機能の低さが、IGDとPSMUの両方と統計的に有意に関連していた。さらに、男性の性別と学業成績の低さがIGDと関連していた。多変量解析では、男性の性別とPSMUがIGDと関連し、年齢の低さ、抑うつ症状の強さ、家族機能の低さ、IGDがPSMUと関連していた。結論 PSMUとIGDでは、臨床的に重要な抑うつ症状がまれではなく発生するようである。IGDとPSMUの相関関係には、性別を除いて明確に異なるパターンは見られなかった。両行動パターンのパラメータ推定値の信頼区間が重なっていることから、調査した特性とIGDまたはPSMUとの間に同様の関係があると考えられる。