SNS使用障害の本人認知と親の評価はしばしば一致せず、本人の評価だけでは限界がある

  • M. Austermann, R. Thomasius, Kerstin Paschke, 2021, Assessing Problematic Social Media Use in Adolescents by Parental Ratings: Development and Validation of the Social Media Disorder Scale for Parents (SMDS-P), J. Clin. Med. 10(4), 617.

思春期のソーシャルメディア利用の問題点を親の評価で。親のためのソーシャルメディア障害尺度(SMDS-P)の開発と検証
背景 ソーシャルメディア(SM)の問題ある使用は、特に青年期に増加している現象である。ソーシャルメディア障害尺度(SMDS)のような自己評価式のスクリーナーで評価できる。しかし、若年性や症状の否認は、青年期の評価精度を低下させる可能性がある。そこで,親用の尺度(SMDS-P)の開発と検証が望まれる。方法は以下の通り。代表的なサンプルである961名の保護者とそれに対応する10~17歳のSM利用頻度の高い子どもを対象に,オンライン調査を実施した。項目構造を決定するために要因分析を行った。妥当性の評価には,思春期のSMDSの自己報告,SM利用時間,情動調節障害,学業成績を用いた。SMDS-Pのカットオフ値はROC分析により算出した。結果 SMDS-Pの1因子構造を確認することができた。内的整合性は良好であり(Cronbachのα=0.85,McDonaldのω=0.88),親の評価と自己の評価の一致度は中程度であった(kappa=0.51)。SMDS-Pは、青年の自己評価(r = 0.68)、SMの使用時間(r = 0.26)と頻度(ϱ = 0.16)、および情動調節障害(r = 0.35)と高い有意性で関連していた。結論としては SMDS-Pは,思春期におけるSMの問題的使用を評価するための有望な新しいアプローチである。今後、臨床的な検証を含めたさらなる研究が必要である。