ゲームをし続けると左眼窩前頭灰白質の体積が減少する可能性がある

  • F. Zhou, C. Montag, Rayna Sariyska, Bernd Lachmann, M. Reuter, B. Weber, P. Trautner, K. Kendrick, S. Markett, B. Becker, 2019, Orbitofrontal gray matter deficits as marker of Internet gaming disorder: converging evidence from a cross‐sectional and prospective longitudinal design, Addiction Biology. DOI:10.1111/adb.12570

インターネットゲーム障害のマーカーとしての眼窩前頭Orbitofrontal灰白質の欠損:横断的および前向き縦断的デザインから得られた収束する証拠 インターネットゲーム障害は、増大する健康問題を表している。中心的な症状は、習慣的な行動パターンを制御しようとする試みがうまくいかないことや、否定的な結果にもかかわらず使用し続けることであり、制御機能の喪失を示している。これまでの研究では、インターネットの過剰使用をしている人では、調節機能をつかさどる前頭前野の脳構造に障害があることが明らかになっている。しかし,これらの研究は横断的に行われたため,観察された脳構造の障害がインターネットの過剰使用の発症に先行していたかどうかは不明であった。このような背景から、本研究では、オンラインゲームのやりすぎがどのような影響を及ぼすかを調べるために、横断的な研究と縦断的な研究を組み合わせた。本研究では、インターネットゲームを過度に利用したことがある41名の被験者と、ゲームを利用したことがない78名の被験者を対象とした。インターネットゲームが脳構造に及ぼす影響を調べるために、ゲーム未経験の被験者を6週間の毎日のインターネットゲーム(トレーニング群)またはゲームをしない条件(トレーニング対照群)に無作為に割り付けた。試験開始時点で、インターネットゲームをしていない被験者と比較して、インターネットゲームをしている被験者は、右眼窩前頭灰白質体積が低かった。インターネットゲーマーにおいて、この領域の灰白質体積の低下は、オンラインビデオゲーム依存症の重症度の高さと関連していた。縦断的な分析では、過度のゲーマーのグループと同様に、トレーニング期間中に左眼窩前頭灰白質体積が減少しているという最初の証拠が得られた。以上の結果から、オンラインゲームへの過度の関与と眼窩前頭皮質の構造的欠陥との間に直接的な関連があり、インターネット依存症の発症に眼窩前頭皮質が重要な役割を果たしていることが示唆された。