ゲームの耐性がつく原因としてゲームにおける特定の目標や強化因子を好むことが動機となっている可能性

  • King, Daniel L., Madeleine C. E. Herd, and Paul H. Delfabbro. 2017. “Tolerance in Internet Gaming Disorder: A Need for Increasing Gaming Time or Something Else?” Journal of Behavioral Addictions 6 (4): 525–33.

インターネットゲーム障害の耐性。ゲーム時間を増やす必要があるのか、それとも何か他の要因があるのか?
背景と目的 DSM-5のインターネットゲーム障害(IGD)における耐性の基準は、ゲームに費やす時間の増加の必要性に言及している。しかし、この「ゲーム時間の必要性」への着目は、過剰なプレイの背景にあるゲームのより広範な動機、結果、または効果の一部を見落としている可能性がある。本研究では、IGDにおける耐性について、常連ゲーマーと問題児ゲーマーの経験と認識を探ることを目的とした。方法 成人ゲーマー630人を対象としたオンライン調査で、自由形式の質問に対する1,417件のテキスト回答を得た。23,373語をテーマ別に分析し、主要なテーマを抽出した。結果 参加者は、ゲームに没頭するにつれ、ゲームアイテムやステータス、ストーリーの進展を求めるようになると報告した。プレイヤーがゲームでより高い水準のプレイをするようになると、潜在的な報酬の結果の数が増え、気分を変える効果が薄れていく可能性がある。なお、IGDを自己申告している参加者を含め、ゲームに費やす時間を増やす必要があると明確に言及した参加者はいなかった。考察と結論 これらの結果から、プレイヤーはゲームに費やす時間の長さを求めるのではなく、ゲームにおける特定の目標や強化因子を好むことが動機となっている可能性が示唆された。このように、問題のあるゲームは、満足を達成し、および/または逃避の恐れを減少させるために、ますます複雑で、時間がかかる、または困難な目標を達成する必要性を含む可能性がある。ゲーム刺激に関連するこれらの認知的・動機的要因が、IGDにおける寛容性の概念を拡張または代替するものなのか、それともゲーム障害における別個の関連プロセスとして考えるべきなのかを決定するためには、さらなる研究が必要です。