オンラインでの社会的交流が多いクラスでは問題のあるゲーム症状の報告が少ない

  • Colder Carras, Michelle, Antonius J. Van Rooij, Dike Van de Mheen, Rashelle Musci, Qian-Li Xue, and Tamar Mendelson. 2017. “Video Gaming in a Hyperconnected World: A Cross-Sectional Study of Heavy Gaming, Problematic Gaming Symptoms, and Online Socializing in Adolescents.” Computers in Human Behavior 68 (March): 472–79.

ハイパーコネクテッドワールドにおけるビデオゲーム。思春期の若者のヘビーゲーム、問題のあるゲーム症状、オンラインでの社交性に関する横断的な研究
目的
ビデオゲーム行動やゲーム依存症の症状のパターンとともにオンラインでの社会的相互作用を調べることは、過度なビデオゲームのプレイに関連する障害の理解を豊かにする可能性がある。
研究方法
思春期の若者9733人を対象に、ゲームの多用、SNSやインスタントメッセージの利用、ゲーム依存症の症状に基づいて潜在クラス分析を行った。また、潜在クラス回帰を用いて、クラス、心理社会的幸福、友情の質の関連を調べた。
結果
ゲームをよくするクラスには、オンラインでの社会的交流の度合いが異なる2つのタイプがあった。オンラインでの社会的交流が多いクラスでは、オンラインでの社会的交流が少ないクラスに比べて、問題のあるゲーム症状の報告が少なかった。ヘビー・ゲーミング・クラスに属すると推定される青年のほとんどは、標準的なクラスに比べて抑うつ症状が多かった。男性の非社会的ゲーマーは社会不安が強かった。女性のソーシャルゲーマーは、社会的不安や孤独感は少なかったが、自尊心は低かった。友情の質は、一部の男性ソーシャルゲーマーの抑うつ症状を軽減したが、一部の男性非ソーシャルゲーマーの孤独感との関連を強めた。
結論
青年期におけるゲーム依存症の症状は、ゲームのプレイ状況だけでなく、オンラインでのコミュニケーションレベルにも依存しており、オンラインでの社会的活動が活発な人ほど、ゲーム依存症の症状が少ないことがわかった。