インターネットゲーム障害における手がかり反応時の腹側線条体および背側線条体の活性化

  • Liu, Lu, Sarah W. Yip, Jin-Tao Zhang, Ling-Jiao Wang, Zi-Jiao Shen, Ben Liu, Shan-Shan Ma, Yuan-Wei Yao, and Xiao-Yi Fang. 2017. “Activation of the Ventral and Dorsal Striatum during Cue Reactivity in Internet Gaming Disorder.” Addiction Biology 22 (3): 791–801.

インターネットゲーム障害における手がかり反応時の腹側線条体および背側線条体の活性化
薬物中毒で行われた研究では、薬物関連の手がかりの処理が線条体の腹側構成要素から背側構成要素に移行することが示唆されている。しかし、このプロセスは行動的な依存症では研究されていない。薬物以外の依存症におけるこのプロセスを評価することで、物質依存症と行動依存症の両方の病態生理を知ることができる。インターネットゲーム障害(IGD)の男性被験者39名と、マッチさせた健常対照者(HC)の男性被験者23名を対象に、インターネットゲームに関連する刺激(ゲームキュー)と一般的なインターネットサーフィンに関連する刺激(コントロールキュー)を交互に提示する手がかり反応課題を実施した際に、機能的磁気共鳴画像を撮影した。腹側および背側線条体(DS)におけるキューによる神経活性化を、IGDとHCの参加者間で比較した。また、これらの領域における手がかり反応性と、手がかりによる渇望、IGDの重症度および期間との関連性を検討した。IGD参加者は、HCと比較して、腹側とDSの両方で高い手掛かり誘発性の活性を示した。IGDグループでは、左腹側線条体(VS)の活動がキューによる渇望と負の相関を示し、DS(右被殻、淡蒼球、左尾状体)の活動とIGDの期間との間に正の相関が見られた。IGD参加者では、左被殻の活動が右VS体積と負の相関を示した。物質依存症の研究と同様に、今回の結果は、IGD患者において、腹側線条体処理から背側線条体処理への移行が、物質摂取の影響を受けずに起こることを示唆している