インターネットゲーム障害の治療に関するシステマティックレビュー

  • King, Daniel L., Paul H. Delfabbro, Anise M. S. Wu, Young Yim Doh, Daria J. Kuss, Ståle Pallesen, Rune Mentzoni, Natacha Carragher, and Hiroshi Sakuma. 2017. “Treatment of Internet Gaming Disorder: An International Systematic Review and CONSORT Evaluation.” Clinical Psychology Review 54 (June): 123–33.

インターネットゲーム障害の治療。国際的なシステマティックレビューとCONSORTによる評価。
インターネットゲーム障害の治療サービスは、世界的に、特に東アジアで普及している。この国際的なシステマティックレビューは,DSM-5のセクションIIIにインターネットゲーム障害が含まれ,ICD-11ドラフトに「ゲーム障害」が含まれる前に,Kingら(2011)が以前に行った作業である,ゲーム障害治療文献の品質基準を評価するためにデザインされた。2007年から2016年に実施された30件の治療研究の報告品質を評価した。報告の質は、2010年のConsolidating Standards of Reporting Trials(CONSORT)声明に従って定義した。その結果、これらの試験に対するこれまでの批判、すなわち以下の点が再確認された。すなわち、(a)乱用の定義、診断、測定に一貫性がない、(b)無作為化と盲検化が行われていない、(c)対照群がない、(d)募集時期、サンプルの特徴、効果の大きさに関する情報が不十分、などである。認知行動療法は、他の治療法に比べて多くのエビデンスがあるものの、その効果について明確に述べることは依然として困難である。研究デザインの質は過去10年間で改善されておらず、この分野での一貫性と標準化の必要性を示している。ゲーム障害の中核的な精神病理を理解するための国際的な努力を継続することは、治療における最良の実践モデルを開発するために不可欠である。