インターネットゲーム障害における反応抑制、渇望、脳機能接続に対するDLPFC上の両側tDCSの効果: fMRIを用いた無作為化二重盲検偽薬対照試験

  • Jeong, J.-E., Park, C., Kim, M., Cho, H., Pyeon, A., Jung, S., Jung, D., Kim, J.-Y., Choi, J., Chun, J.-W., Ahn, K.-J., & Kim, D.-J. (2024). Effects of bilateral tDCS over DLPFC on response inhibition, craving, and brain functional connectivity in Internet gaming disorder: A randomized, double-blind, sham-controlled trial with fMRI. Journal of Behavioral Addictions. https://doi.org/10.1556/2006.2024.00017

背景と目的
欲求の亢進を伴う抑制性制御の障害は、依存症の特徴である。本研究では、インターネットゲーム障害(IGD)における反応抑制と渇望に対する経頭蓋直流電流刺激(tDCS)の効果を検討した。tDCS後の脳の変化と臨床変数との相関を検討した。

方法
IGDの男性24名をtDCS群と偽群に無作為に割り付け、22名のデータを解析に用いた。参加者は、背外側前頭前野(DLPFC)に両側tDCSを10回自己投与した。反応抑制を測定するためにストップシグナルタスクが実施され、参加者はベースライン時とtDCS後にインターネットゲームへの欲求について質問された。機能的磁気共鳴画像データをtDCS前後に収集し、両側DLPFCと側坐核の安静時機能的結合(rsFC)変化における群間差を検討した。積極的tDCS群におけるrsFCの変化と行動変数との関連を検討した。

結果
反応抑制において有意な群間相互作用が観察された。tDCS後、SSRT(Stop-Signal Reaction Time)の減少がみられたのは活動群のみであった。渇望は減少したが、有意な群間相互作用や群間主効果は認められなかった。前帯状皮質(ACC)は、右DLPFCからのrsFCにおいて、tDCS後とtDCS前とで群間差を示した。ACCと左中前頭回間のrsFCは、SSRTと負の相関を示した。

考察と結論
本研究は、DLPFCに対する両側tDCSが抑制性制御を改善し、IGDの治療アプローチとなりうるという予備的証拠を提供する。