ADHD患者におけるインターネットの問題的利用は、心理的苦痛を介したQOLの低下と関連する

  • Chen, C.-Y., Lee, K.-Y., Fung, X., Chen, J.-K., Lai, Y.-C., Potenza, M., Chang, K.-C., Fang, C.-Y., Pakpour, A., & Lin, C.-Y. (2024). Problematic Use of Internet Associates with Poor Quality of Life via Psychological Distress in Invididuals with ADHD. Psychology Research and Behavior Management, Volume 17, 443–455. https://doi.org/10.2147/PRBM.S449369

背景
インターネットの問題使用(PUI)は、心理的苦痛や生活の質(QoL)に悪影響を及ぼす可能性がある。注意欠陥/多動性障害(ADHD)の患者では、行動制御や調節能力が低いため、この状況はより深刻かもしれない。しかしながら、ADHD患者におけるPUI、心理的苦痛、QoLの関連における媒介効果に関する証拠はほとんどない。
目的
ADHD患者における問題あるスマートフォンの使用(PSPU)、問題あるソーシャルメディアの使用(PUSM)、問題あるゲーム(PG)とQoLとの関連における心理的苦痛の媒介効果を調査すること。
方法と手順
ADHDの参加者(n = 99)のPUI行動は、スマートフォンアプリケーションベースの嗜癖尺度、ベルゲンソーシャルメディア嗜癖尺度、インターネットゲーム障害-短形式を用いて評価した。心理的苦痛は、抑うつ、不安、ストレス尺度を用いて評価し、QoLはKid-KINDLを用いて評価した。
成果と結果
心理的苦痛は、自尊心QoLを除き、PUIとQoLのさまざまな領域との関連を媒介した。また、PGと身体的QoL、PUSMと友人のQoL、PSPUと身体的QoLの間には正の直接効果がみられた。
結論と意義
PUIは心理的苦痛を介してADHD患者のQoLの低下と関連する可能性がある。ADHD患者のPUI軽減に関するプログラムが必要である。