青年期および若年成人のゲーム障害者における、現実世界での協力型ビデオゲーム中の前頭前皮質における脳間同期の破綻

  • Huang, C., Guo, L., Sun, Y., Lu, J., Shan, H., Du, J., Jiang, H., Shao, S., Deng, M., Wen, X., Zhu, R., Su, H., Zhong, N., & Zhao, M. (2024). Disrupted inter-brain synchronization in the prefrontal cortex between adolescents and young adults with gaming disorders during the real-world cooperating video games. Journal of Affective Disorders, 352, 386–394. https://doi.org/10.1016/j.jad.2024.02.079

背景 ゲーム障害(GD)や危険なゲーム行動(HG)は、青年や若年成人の間で高い発症率を示し、様々な悪影響を引き起こしている。対人関係障害はGDやHGと密接に関連しているが、その根底にある脳内メカニズムは未だ不明である。

方法 本研究では、健常者46名とGD/HG患者32名を対象とした。ゲーミング時間と頻度、ゲーミング障害のリスク、ライフイベント、強み、困難を尺度によって測定した。被験者は無作為に12組のHC-HC組、15組のGD/HG-HC組、7組のGD/HG-GD/HG組に分けられ、2人1組で現実世界の協力型ビデオゲーム「Tied Together」をクリアし、前頭前野の機能的近赤外分光ハイパースキャンニング記録を行った。前頭前野の各領域における脳間同期をウェーブレット変換コヒーレンスにより算出し、脳間同期を測定した。

結果 その結果、GD/HGの被験者では、ゲームのリスクが高いことがわかった。GD/HG-HCおよびGD/HG-GD/HGダイアドでは、左背外側前頭前野の最高脳間同期IBS: interbrain synchronyが健常対照群と比較して有意に減少した。左背外側前頭前野の最高IBSの減少は、ピア問題のレベルの減少と関連していた。

限界: サンプルの年齢差、GDとHGの区別がつかないこと、サブサンプルの使用、対人相互作用の概念が広いことなどの限界を宣言する。

結論 本研究は、ゲーム性疾患を有する青年および若年成人において、左背外側前頭前野の最高IBSが低下していることを発見した。これは、対人相互作用の障害を標的としたゲーム性障害の予防と治療に関する新たな知見を提供する可能性がある。