中国の青少年における学校風土、学業成績、ゲーム障害症状の縦断的関係

  • Nie, Q., Teng, Z., Yang, C., Griffiths, M. D., & Guo, C. (2024). Longitudinal Relationships Between School Climate, Academic Achievement, and Gaming Disorder Symptoms Among Chinese Adolescents. Journal of Youth and Adolescence. https://doi.org/10.1007/s10964-024-01952-5

青少年におけるゲーム障害症状の発症に関する懸念が高まっているにもかかわらず、学校要因とゲーム障害症状との縦断的な関係はまだ十分に理解されていない。この2年間の縦断的研究では、前青年期(n = 1513;女児46.9%、Mage = 10.64歳、SD = 0.56)、前期青年期(n = 1771;女児48.3%、Mage = 13.54歳、SD = 0.70)、後期青年期(n = 2385;女児50.1%、Mage = 16.41歳、SD = 0.59)の3つの異なる人口統計学的コホートにおいて、学校風土の認識、学業達成度、ゲーム障害症状との関連を検討した。個人内効果(状態レベル)と個人間効果(特性レベル)を分離するために、ランダム切片クロスラグ・パネルモデル(RI-CLPM)を用いて4波研究(6ヵ月間隔)を行った。RI-CLPMから得られた結果から、学校風土認知の変動は、個人内レベルでは青年期前期のゲーム障害症状のその後の変化を負に予測したが、青年期前期と後期では予測しなかったことが示された。また、ゲーム障害症状に関する変動は、青年期後期における学業達成度に関するその後の変化を否定的に予測したが、青年期前期および青年期初期では予測しなかった。学校関連因子がゲーム障害症状に及ぼす影響は、発達段階によって異なる。思春期前児童は、学校環境によって予測されるという点で、ゲーム障害に対して特に影響を受けやすいサブグループであると考えられるが、思春期後期はゲーム障害症状の予測因子に対してより脆弱であるようである。本研究では、重要な発達段階において、学校環境を改善し、ゲーム障害症状の発症を予防することを目的とした学校全体のプログラムの意味についても論じている。