ゲーム障害カットオフスコアと平均以上のゲーム障害スコアを持つ人々のゲーム誘発と維持における自尊心の役割: 準実験的研究

  • Kavanagh, M., Brett, C., & Brignell, C. (2024). The role of self-esteem in triggering and maintaining gaming for people with gaming disorder cut-off scores and above average gaming disorder scores: A quasi-experimental study. Computers in Human Behavior, 152, 108051. https://doi.org/10.1016/j.chb.2023.108051
  • ゲーム障害の自尊心維持モデルに関する予備的証拠。
  • 自尊心の低下はゲームへの動機づけの引き金にはならないという予備的証拠。
  • ゲーム障害の代償仮説に関する準実験的証拠。

概要
相関研究は、低い自尊心がゲーム障害と関連していることを示している。しかし、これらの変数間の実験的研究は不足している。本研究の目的は、(i)ゲームへの動機づけを誘発すること、および(ii)ゲーム障害を維持することにおける自尊心の役割を準実験的に調査することである。

研究1では、多人数参加型オンラインロールプレイングゲームのフォーラムからN=1712人の参加者を募集した。ゲーム障害尺度のカットオフ・スコアを満たした参加者と、ゲーム障害のスコアが最も低い参加者が、ゲーム世界の内外の生活に関する自尊心、自己共感、自己概念の明確さの尺度に記入した。研究2では、ゲーム障害尺度の得点が平均以上のN=175の参加者を、4つの異なるグループに無作為に割り付けた。参加者の自尊心は実験的に操作された。操作後、参加者は普段プレイしているオンラインゲームをプレイしたり、しなかったりした。自尊心とゲーム意欲の測定は、操作前、操作直後、操作後30分で完了した。

研究1では、ゲーム中の生活を想像したとき、ゲーム障害カットオフ群ではすべての測定値が有意に増加した。自尊心の増加が最も大きく、セルフ・コンパッションの増加が最も小さかった。研究2では、自尊心を実験的に低下させた後、ゲームをすることで自尊心が低下後と操作前の両方のレベルを有意に上回った。しかし、ゲームに対する動機づけは、自尊心を下げた後では変化しなかった。

本研究は、ゲーム障害の代償仮説を準実験的に証明した初めての研究である。本研究は、ゲーム障害の自尊心維持モデルの証拠を提供している。本研究は、自尊心の低下がゲーム障害の指標で平均点以上の人がゲームをするきっかけや原因にはならないという注意すべき証拠を提供する。